Vol.5 HySerpackの圧入特性

 HySerpackはシリンダロッド位置の精密制御と同時に推力制御を行うことが出来ます。
ロッド位置を精密に制御しながら圧入を行う場合、シリンダヘッド側の油圧をフィードバックし、一定の推力を保ちながら±0.03oの精度で所定の位置まで圧入を行うことが出来ます。その場合圧入部品の寸法精度にバラツキがあり予め決められた一定範囲の推力で圧入出来なかったものを不良品とすることも可能です。要するに圧入推力管理と同時に検査成績書を作成することが出来ることになります。
 又ネジ止め方式と比較し部品のコストも、製造コストも大幅に減少させることが出来ます。圧入の強度は正確に管理された場合、ネジ止めと比較し比べものにならない程の信頼性を得ることが出来ます。
 更にリサイクル時に簡単に引き抜くことが出来、材料毎の分別作業が容易となります。
 例えばエンジンの生産ラインでの部品の装填又はシャフト圧入ラインへHySerpackを投入すると製造コストの大幅削減と共に生産効率の向上も可能となります。

Hyserpackの圧縮特性


Vol.6 HySerpackはサージ圧が発生しない

 板物等の打ち抜きは、通常の方向制御弁による油圧プレスを使用しても全く問題なしに加工することが出来ます。
 ところがコイニング又は材料を半抜き(図のように薄皮一枚でつながっているような加工)にするような加工では、プレスした瞬間抜け落ちてしまうことが度々発生します。
 このような不良品を作ってしまう原因は、方向制御弁の操作時に発生するサージ圧によるものです。プレス最後の瞬間にサージ圧によりハンマーで叩いたような衝撃を受けるためポロリと抜け落ちてしまうのです。ことにゴム板のように弾力性のある材料の半抜き加工は、至難の業であり頭の痛い問題となっております。
 方向制御弁の切り替え時に発生するサージ圧はユーザーから目の敵とされておりますが、どんな工夫をしても完全に除去しきれません。
 HySerpackは制御弁を完全に追放し、油圧ポンプの回転方向を正転/逆転させ、作動油の吐出方向を制御しているため、サージ圧は全く発生しません。その結果、材料の半抜き加工でも不良品の発生を防止することが出来るようになりました。位置の制御と推力の制御を同時に行うことができるため寸法精度と共に製品の品質も向上させることが可能となり、自動車部品のような大量生産ラインに導入されております。

Hyserpackはサージ圧が発生しない




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