Vol.15 HySerpackはアクティブとパッシブ制御が同時に出来る

 慣性負荷Wを加速又は減速する時、通常は図1のように油圧シリンダはアクティブ制御(能動)を、ダンパーはパッシブ制御(受動)を受け待ってます。
 ところがHySerpackの場合、図2のようにダンパー(又はショックアブソーバとも言う)がありません。何故ダンパーがないのか。
 負荷を加速させる時は油圧シリンダで押してやります。次に減速させるにはプレーキをかけることになります。図1の場合ダンパーをブレーキにしていますが、図2ではサーボモータを減速することにより油圧ポンプも同時に回転が低下し、作動油の吸入も吐出量もそれに比例して低下するため、シリンダの動きが拘束され、負荷の動きにブレーキがかかり減速されます。
 この時サーボモータは負荷の慣性によって無理矢理廻されることで発電機になってしまいます。この発生した電力を回生抵抗で消費させることによりブレーキ量を自由に制御することが可能です。従って負荷を加速する時はシリンダはアクティブなアクチュエータとなり、減速する時は瞬時にパッシブなダンパーに変身してしまうことが容易に理解出来る筈です。


Vol.16 HySerpackで精密プレスが簡単に出来る

 Hyserpackはシリンダロッドの位置を精密に制御することが出来ます。DHA型はシリンダに内臓されたアブソリュート型(絶対位置読取り)リニアスケールの出力を読み取り、位置の制御をフィードバック制御しているため、シリンダロッドのフルストロークに対して±0.03%以内の繰り返し停止精度を保証しております。
 更に高精度のリニアスケールを判定したい位置に取り付け、内蔵のリニアスケールと共に二重の位置制御を行うことによって、±0.005%まで精度を向上させることも出来るようになって来ました。
この結果、粉末成形プレスで高精度の製品を容易に制作することが出来るようになりました。
 又図のような部品を鍛造プレスで製作する場合、ワークの底面の厚みtを0.01oの精度に保つことも出来るので、ただの一回のプレスで精密部品が完成し、二次加工の必要もなくなり、大幅なコストダウンを実現することも夢ではなくなりました。
 但しその場合、フレームの精度、フレームの熱による変形、スライド部のすべり特性等機構部の精度も影響を及ぼしますので充分な注意が必要となります。





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