◆ Vol.18 HySerpackとサーボ弁との比較(Ⅱ)

サーボ弁は通常4ポートスプール弁の形をしており、そのスプールの位置を全開から全閉まで連続に動かすことが出来るので、各ポートの開度をアナログ制御しているものと考えることが出来ます。従って、図のように4個の絞り弁がブリッジ状に接続されたものと同じと考えると便利です。
サーボ弁が中立状態の時は4個の絞り弁が全く同じように半開になっている時と同じと考えて下さい。この時はシリンダのポートP 2及びP3の圧力はP2=P1/2,P3=P1/2となり、結果的にP2=P3となります。従ってP2及びP3は油圧源の圧力P1の1/2となり、シリンダに加わる圧力はP2=P3となるため圧力が均衡し、シリンダロッドは動きません。
この状態から絞り弁a,bを僅かに開き、c,dを僅かに閉にするとP2の圧力がP1/2よりも上昇し、P3の圧力はP1/2よりも下降します。従ってP2>P3となり圧力均衡が破れロッドは右へ動きます。
又作動油はシリンダが動かない時でも全ての絞り弁が半開状態になっているため、油圧源から油タンクへ向かって常に流れ続けます。
このように油圧源の吐出圧はシリンダが要求する圧力の×2~×3、吐出油量も×2~×3は必要であると言われている事が理解できる筈です。
HySerpackはこのようなオリフィス制御から脱却することが出来たため、シリンダが要求する油圧及び油量だけ供給出来る油圧源があれば問題なく動作し、サーボ弁を使用したシステムの油圧源と比較し1/4~1/9のパワーがあれば充分実用になります。