◆ Vol.2 作業油の汚染は何故発生するのか?

通常の油圧装置では1年間使用すると、オイルタンク内の作動油はドス黒くなり、長期間使うと殆ど真っ黒で、タンクの底にはスラッジと呼ばれるヘドロ状の物質が沈殿しております。 この物質はカーボンが大部分であり、金属粉等のゴミは非常に微量です。この大量のスラッジは何処から来たのでしょうか。一般に作動油は鉱物油であり、電気の絶縁物です。作動油は油圧ポンプによりタンクから吸い上げられる時にフィルターを通過します。電源ONの間油圧ポンプは常時回り続け、定格吐出100%の作動油がフィルターを通過する際に摩擦による静電気が発生します。 
従ってフィルターを通過した直後に無数の火花放電が発生し、炭素化合物である鉱物油からスラッジが生成されることになります。 また制御弁、メータイン、メータアウト等のオリフィスを通過する場合も火花放電が発生していることは容易に想像出来ます。 何のことはない、油の汚れを防止する筈のフィルターが汚染の元凶であったと言うことになります。
HySerpackは最初から制御弁、オリフィス等の類は使用しておりませんので問題はありません。又HySerpackは完成時に慣らし運転を行い、汚れた油は抜き取り、新しい油を注入して出荷しております。従ってフィルターを使用する必要は無くなりました。
その結果2~3年使用した作動油でも抜き取って見ると透明であり、その上タンクは完全密閉であるため、油の酸化現象や水分の混入もなく、粘度の低下も殆ど認められません。