◆ Vol.6 HySerpackはサージ圧が発生しない
板物等の打ち抜きは、通常の方向制御弁による油圧プレスを使用しても全く問題なしに加工することが出来ます。
ところがコイニング又は材料を半抜き(図のように薄皮一枚でつながっているような加工)にするような加工では、プレスした瞬間抜け落ちてしまうことが度々発生します。
このような不良品を作ってしまう原因は、方向制御弁の操作時に発生するサージ圧によるものです。プレス最後の瞬間にサージ圧によりハンマーで叩いたような衝撃を受けるためポロリと抜け落ちてしまうのです。ことにゴム板のように弾力性のある材料の半抜き加工は、至難の業であり頭の痛い問題となっております。
方向制御弁の切り替え時に発生するサージ圧はユーザーから目の敵とされておりますが、どんな工夫をしても完全に除去しきれません。
HySerpackは制御弁を完全に追放し、油圧ポンプの回転方向を正転/逆転させ、作動油の吐出方向を制御しているため、サージ圧は全く発生しません。その結果、材料の半抜き加工でも不良品の発生を防止することが出来るようになりました。位置の制御と推力の制御を同時に行うことができるため寸法精度と共に製品の品質も向上させることが可能となり、自動車部品のような大量生産ラインに導入されております。
