◆ Vol.7 HySerpackにはリリーフ弁がない

通常の油圧装置には、図1のようにリリーフ弁が取り付けられております。リリーフ弁がないと方向制御弁を閉じた時、又はシリンダに過大な負荷が加わった時は圧油の逃げ場がなくなり、油圧ポンプ又は配管が破損してしまう程圧力が上昇してしまいます。
リリーフ弁は設定圧以上になると圧油をオイルタンクへ戻してやる、言い換えると安全弁として使われております。
油圧シリンダが仕事をしてない時は高圧の圧油をタンクへ戻すため、圧油に蓄積された巨大なエネルギーが全て熱エネルギーに変換されタンク内の作動油の温度を急速に上昇させてしまいます。
又リリーフ弁の定格圧力を100%とすると0~100%迄の全領域を自由に圧力設定出来るものはプリミティブな形式のものを除いて殆どなく、一度手動で設定した後は固定されてしまい、外部から自由にコントロール出来るものは殆どありません。
HySerpackは図2のように電動機、油圧ポンプ、短い配管、シリンダだけで構成され、電動機のトルク制御によりポンプの吐出圧を自由に設定すると共にサージ圧も吸収出来るようになっているためリリーフ弁を使う必要はなくなりました。