◆ Vol.8 HySerpackはスティックスリップが発生しない

HySerpackには方向制御弁、圧力制御弁、流量制御弁、サーボ弁等のエネルギー損失要素は全く使用されておりません。代わりにポンプの吐出方向、吐出流量、吐出圧力を自由に制御し、アクチュエータを動かしております。
このようにすることによって次に説明するような利点が生まれました。油圧ポンプの吸入量Qiと吐出量QoはQi=Qoの関係にあります。従って図のようにQoが両ロッドシリンダのAポートに流入し負荷が右へ動き出します。次にサーボモータを停止させるとポンプも同時に停止しますが負荷は慣性エネルギーのためなかなか停止しません。しかしポンプが停止しているため、Qi=0となりBポート側シリンダ室の内圧が急上昇しブレーキとなり負荷は急停止します。
このようにポンプ自体がブレーキ機能を持っているためメータイン、メータアウトが必要なくなりました。このブレーキ機能が非常に高いのでついでにスティックスリップまで無くなってしまったということです。
従ってHySerpackは低速領域でも非常に滑らかな動作となります。